A編(P.32〜P.46)


 株式会社

株式会社とは、【株式】を発行して資金を調達し、これを元手として企業体を運営する組織をいう。



 株式会社の機関

株主総会…株主の総意により会社の基本的な意思を決定する機関
取締役…会社を代表し、かつ会社の業務を執行する機関
取締役会…会社の業務に関する意思を決定する機関



 株式会社の資本金

株主は出資義務を負うのみで会社の債権者に対しては何ら責任を負わないことになっている(株主の有限責任)。



 株式の発行

1:会社設立時

株式の発行時には原則として、払込みまたは給付された財産の額をもって資本金勘定の貸方に記帳する。
ただし、払込みまたは給付に係る額の1/2を超えない額は、資本金として処理しないことができる。
資本金としない額は、【株式払込剰余金勘定】(純資産)の貸方に記帳する。
なお、株式払込剰余金勘定のかわりに資本準備金勘定を用いる場合もある。


なお、株式を発行するために直接必要とされる支出として、募集のための広告宣伝費、金融機関の取扱手数料などがあり、原則として支出時に費用として処理する。
ただし、これらの支出の効果(調達した資金の採用により収益を得ること)は、当期だけとは限らない場合があるため、一時の費用とはせず、数時間の費用として処理することができる。

毎期決算に【創立費償却勘定】(費用)の借方に記帳し、創立費勘定から減額する。



 新株発行の流れ

通常、新株発行による増資を行う際には、まず株式の申し込みを受け、次いで株式の割当が行われる。
新株引受けの申込みに際して払込金等を受けたときは、【株式申込証拠金勘定】(純資産)の貸方に記帳する。



 獲得利益の会計処理

獲得利益は、【繰越利益剰余金勘定】(純資産)の貸方に記帳する。



 剰余金の配当等

1:準備金の積立て
準備金とは、会社法が強制的に剰余金の一部を社内に残すことを要求したものである。
資本準備金】と【利益準備金】があり、会社法では、剰余金の配当をする場合には、配当により減少する剰余金の額に1/10を乗じた額を資本準備金または利益準備金として計上しなければならない。

なお、剰余金の配当をする場合における準備金の積立額は、資本金の1/4の金額(基準資本金額)まで積立てが要求されている。


2:任意積立金
任意積立金とは、その使用目的をあらわした【新築積立金】などや特に使用目的をあらわさない【別途積立金】がある。



 剰余金の配当等の会計処理

(繰越利益剰余金)××× (未払配当金)×××
            (利益準備金)×××
            (○○積立金)××× ←引当金のようなもの



 企業統合

企業統合とは、ある企業(またはある企業を構成する事業)と他の企業(または他の企業を構成する事業)とが一つの報告単位に統合されることをいう。



 事業譲受←相手の全ての事業または一部の事業を買収!

事業譲受とは、譲受企業(取得企業)が譲渡企業(被取得企業)を構成する事業の全て(または事業の一部)を有償で譲受けることをいう。


 譲受企業の会計処理(パーチェス法)

(諸資産)××× (諸負債)×××
(のれん)××× (当座預金)×××

のれんは、取得後、20年以内に規則的に償却する。



 合併

合併とは、法律上別個の会社であったものが1つの会社に統合されること。

消滅会社の株主に対して一般的に株主を発行し、消滅会社の株主は新たに存続会社の株主となる。


 存続会社の会計処理

1:パーチェス法←買ってくる(時価)←【勘定ではなく文章に書いてある金額を書く】
資本金として処理しない金額は、【合併差益勘定】(純資産)の貸方に記帳する。
なお、合併差益勘定のかわりに資本金準備勘定またはその他資本剰余金勘定を用いる場合もある。


2:持分プーリング法←くっついた!(帳簿価額)←【文章の金額を無視して勘定通りに書く】
すべての資産、負債および純資産を適切な帳簿価額で引継ぐ。