A編(P.23〜P.36)
予定消費価格
消費価格については、実際消費価格にかえて【予定消費価格】を採用することも認められている。
予定消費価格を採用することによって、【計算の迅速化】【製品価格の変動性を排除】することができる。
材料費価格差異の計算
実際消費価格と予定消費価格が異なれば原価差異が発生する。
この原価差異を【材料消費価格差異】といい、【借方差異】または【貸方差異】を明示しなければならない。
【材料消費価格=実際消費量×予定消費価格−実際消費量×実際消費価格】
→予定<実際→借方差異
→予定>実際→貸方差異
材料消費価格差異の月末の処理
予定消費価格は、将来の一定期間(通常は一会計期間)の消費価格を予想して計算されるため、その一定期間終了後に差異の調整が行われる。
したがって、材料消費価格差異は毎月末に【翌月へ繰越される】。
【棚卸減耗は実際消費価格で計算する】
直接労務費
直接労務費とは、特定の製品に対して【直接に認識・計算される】労務費をいい、【直接工の直接作業に対する賃金】がある。
間接労務費
間接労務費とは、特定の製品に対して【直接に認識・計算されなかった】労務費をいい、【直接工の直接作業以外に対する賃金】、【間接工の賃金】、工員以外の給料や雑給、従業員賞与・手当、退職給付費用、法定福利費などがある。
【預り金は労務費ではない】
賃金給料の支払額の計算と記帳
賃金給料の支払額を計算するための期間を【給与計算期間】という。
【支給総額=支払賃金+諸手当】
原価計算期間の要支払額
原価計算期間と給与計算期間が一致しない場合は、給与計算期間の支給総額に【未払賃金給料】(前月末未払額と当月末未払額)を考慮して原価計算期間の要支払額を計算する。
【原価計算期間=給与計算期間の支給総額−前月末未払額+当月末未払額】
直接工の消費手続
主に製品の加工作業を行う直接工の労務費(消費賃金)は、【その作業時間に対して計算される】ところに特徴がある。
なお間接工は、主に製品に対して共通的な作業や補助的な作業を行う。
したがって、その消費額はすべて間接労務費となり、【通常は作業時間の把握を必要とせず】、総額を性格に把握できる計算方法をとればよい。
また、事務職員などについても間接工と同様である。
【直接工の労務費=実際作業時間×消費賃率】
実際作業時間の把握
直接作業時間…製品の【段取時間】と【加工時間】の合計時間であり、直接作業時間に基づいて計算された労務費は【直接労務費】となる。
間接作業時間・手待時間…{間接労務費】となる。
間接工および事務職員などの労務費の計算と記帳
間接工および事務職員などの労務費は、原価計算期間の要支払額の【すべてが間接労務費】となる。
【間接工および事務職員などの労務費=給与計算期間の支給総額−前月末未払額+当月末未払額】
予定消費賃率による直接工の労務費の計算
消費賃率については、実際消費賃率にかえて【予定消費賃率】を採用することも認められている。
賃率差異の計算
実際消費賃率と予定消費賃率が異なれば原価差異が発生する。
この原価差異を【賃率差異】といい、借方差異または貸方差異を明示しなければならない。
なお賃率差異は、毎月末に【翌月へ繰越される】
【賃率差異=実際作業時間×予定消費賃率−原価計算期間の要支払額】
→予定<実際→借方差異
→予定>実際→貸方差異