本日のまとめ(P.106〜P.118)


 有形固定資産

有形固定資産とは、建物、備品、車両運搬具、土地など企業の経営活動のために、長期にわたって使用される有形の資産をいう。

取得原価には、有形固定資産そのものの代金のほか、仲介手数料や登録料などの付随費用も含まれる。



 修繕費と改造費

修繕は、有形固定資産の部分的破損を修理し、原状に回復させることをいい、このための支出額は、修繕費勘定(費用)の借方に記帳する。

また、有形固定資産について、改造または大きな修繕をしたために有形固定資産の価値が増加したり、使用可能期間が延長された場合には、修繕費としないで有形固定資産の資産価値を増加させるようにしなければならない。



 減価償却

土地を除く固定資産は、収益を得るために活用する過程(時の経過)において徐々にその価値が減少する。
この価値の減少を減価といい、決算において、この減価額を費用として計上する手続きを減価償却とよぶ。

費用として計上した価値減少額は、【減価償却費勘定】(費用)で記帳される。



 減価償却費の計算方法(定額法)

【1年間の減価償却費=(取得減価−残存価額)/耐用年数】

【残存価額】…耐用年数経過後の有形固定資産の処分予想価額(通常は取得減価の10%)

【耐用年数】…利用可能年数



 減価償却の記帳方法

1:直接法
 (減価償却費)××× (備品etc)×××


2:間接法
 (減価償却費)××× (減価償却累計額)×××

減価償却累計額勘定は、有形固定資産諸勘定の評価勘定であり、【建物減価償却累計額勘定】や【備品減価償却累計額勘定】などのように細目を明示する勘定を使用することもある。



 有形固定資産を売却したときの記帳方法

1:直接法

売却価額<帳簿価額
 (現     金)××× (備品)×××
 (固定資産売却損)×××

売却価額>帳簿価額
 (現金)××× (備     品)×××
        (固定資産売却損)×××


2:間接法

売却価額<帳簿価額
 (減価償却累計額)××× (備品)×××
 (現     金)×××
 (固定資産売却損)×××

売却価額>帳簿価額
 (減価償却累計額)××× (備     品)×××
 (現     金)××× (固定資産売却益)×××



 費用および収益の繰延べ・見越し

地代、家賃、保険料、利息などは、期中において支出または収入に基づいて記帳されているため、期末までに記帳された金額では、当期に属する正しい金額とは必ずしもいえない。

したがって、費用諸勘定および収益諸勘定の金額は、決算において修正し、当期に属する正しい金額にしなければならない。



 費用および収益の繰延べ

繰延べとは、当期の支出および収入に基づいて記帳された費用および収益の金額に、次期以降の期間に属する金額が含まれている場合、その金額を当期中に費用および収益として記帳された金額より控除するとともに、資産または負債として次期へ繰越すことをいう。

支払費用の繰延べ→前払費用→資産
受取収益の繰延べ→前受収益→負債

なお、繰延べられた費用および収益は、次期以降の費用および収益となるものであり、翌期首に再びもとの費用諸勘定および収益諸勘定に記帳する。
この仕訳を【再振替仕訳】という。

【決算から1日経ったら逆仕訳をする】



 費用および収益の見越し

見越しとは、当期に支出および収入がないため、記帳されていない費用および収益で、次期以降に支出および収入がある場合、その金額のうち、当期の費用および収益に属する金額を記帳して加算するとともに、負債または資産として次期へ繰越すことをいう。


決 算 時
_____
前払|前受
未収|未払

のパターンを覚える