本日のまとめ(P.86〜P.88、P102〜P.105、P.121〜P.123、P.25)


 決算

決算とは、企業の一会計期間の"営業活動による経営成績および決算日(会計期間の最終日)の財政状態を明らかにするために行う"、帳簿の修正、締切りなどの一連の手続きをいう。



 決算整理

決算整理とは、期中の取引が記録されている総勘定元帳の各勘定残高に、一定の修正を加える手続きをいう。

なお、決算処理を行う事柄を【決算整理事項】といい、この決算整理事項を1つにまとめた表を【棚卸表】という。

【決算整理=修正仕訳(決算整理仕訳)】



 棚卸表の作成

特に決算整理を必要とする勘定科目

1:繰越商品勘定および仕入勘定

2:受取手形勘定および売掛金勘定

3:建物勘定、車両運搬具勘定、備品勘定

4:費用および収益に関する諸勘定

5:現金過不足勘定および現金勘定

6:売買目的有価証券勘定

7:引出金勘定



 売上原価の計算←売れた分だけ費用にする!

【売上原価=繰越商品勘定+仕入勘定−期末商品棚卸高】


仕入勘定で売上原価を計算する場合

1:期首商品棚卸高を繰越商品勘定より仕入勘定へ振替える。
 (仕入)××× (繰越商品)×××

2:期末商品棚卸高を仕入勘定より繰越商品勘定へ振替える。
 (繰越商品)××× (仕入)×××

語呂は「しーくり、くりしー」



 貸倒れ←決算ではない

受取手形および売掛金は、売上債権とよばれ、売上債権が回収不能になったことを【貸倒れ】が発生したといい、その回収不能額は、【貸倒損失勘定】(費用)に記帳される。



 貸倒れの見積額と貸倒引当金←必ず決算時

受取手形および売掛金は、将来確実に回収されるとは限らず、貸倒れになることも予想される。
そこで売上債権の期末残高について貸倒れが見込まれるときは、その貸倒れの見積額を決算において当期の費用とし、【貸倒引当金繰入勘定】(費用)に記帳する。

貸倒見積額は、過去の貸倒れの実績などに基づいて計算することとなるが、これを【実績法】(貸倒実績率法)という。

【貸倒見積額=(受取手形勘定の期末残高+売掛金勘定の期末残高)×実績率(%)】

(貸倒引当金)××× (貸倒引当金)×××

受取手形売掛金を減少させる性質の勘定であり、このような性質の勘定を【評価勘定】という。



 貸倒れが実際に発生したときの記帳方法

1 貸倒引当金勘定の残高がある場合

1:貸倒引当金勘定の残高より売掛金の回収不能額が少ない場合
 (貸倒引当金)××× (売掛金)×××

2:貸倒引当金勘定の残高より売掛金の回収不能額が多い場合
 (貸倒引当金)××× (売掛金)×××
 (貸倒損失)×××

2 貸倒引当金勘定の残高がない場合
 (貸倒損失)××× (売掛金)×××



 前期末に設定した貸倒引当金の残高がある場合の決算整理仕訳

1:貸倒引当金勘定の残高が当期末の貸倒見積額より少ない場合
 (貸倒引当金繰入)××× (貸倒引当金)×××

【貸倒引当金繰入額=当期末の貸倒見積額−貸倒引当金勘定の残高】

2:貸倒引当金勘定の残高が当期末の貸倒見積額より多い場合
 (貸倒引当金)××× (貸倒引当金戻入)×××

【(−)貸倒引当金戻入額=当期末の貸倒見積額−貸倒引当金勘定の残高】

以上の処理方法を、【差額補充法】または【追加法】という。



 現金過不足←決算ではない!(帳簿残高と実際有高のズレ→ズレの原因不明!)

現金の記帳が適正に行われていれば、現金の帳簿残高と【実際有高】(金庫の中にある実際の現金有高)は、必ず一致しなければならない。

しかし、両者の間に差が生じ、その原因が不明な場合には、いったんその原因不明分を【現金過不足勘定】で記帳し、"現金勘定の残高を実際有高に合わせる。"

なお、後日その原因が判明したときには、現金過不足勘定より該当する勘定へ振替える。



 現金過不足勘定の決算整理仕訳

決算手続中の再調査によっても、その原因が判明しない場合には、【雑損(雑損失)勘定】(費用)または【雑益(雑収入)勘定】(収益)へ振替える。



 現金勘定の決算整理仕訳

決算日の現金の帳簿残高と実際手許有高に相違が生じた場合には、ただちに雑損勘定または雑益勘定へ振替えられる。



 商品券勘定および他店商品券勘定の記帳方法

商品券とは、それと引換えに商品を引渡さなければならない義務をいい、【商品券勘定】(負債)で記帳される。

また、他店発行の商品券を受取った場合は、商品券を発行した商店に対して、その商品券の金額を請求する権利が生じるため、その権利は【他店商品券勘定】(資産)で記帳される。