本日のまとめ(P.2〜P.14)

 簿記の目的

1:【一定期間】の経営成績を明らかにする
2:【一定期日】の財政状態を明らかにする



 会計期間

簿記の目的は、一定期間の経営成績や一定期日の財政状態を明らかにすることである。

個人商店では、所得税が1月1日(期首)から12月31日(期末)までの1ヵ年を基礎に課せられる。
また、会社の場合には会計期間を半年または1年とし、開始日を1月1日に限らず任意に定めることができる。

【一定期間=会計期間=期中】



 経営成績

経営成績とは、【一定期間の営業活動によって得た利益または損失】が、どのようにして、【いくら生じたか】をいう。

【収益】(外部からお金が入ってくる原因)…受取手数料、受取利息など
【費用】(外部へお金が出ていく原因)…給料、水道光熱費、消耗品費、雑費、支払手数料、支払利息など

【収益−費用=当期純利益



 損益計算書(P/L)

損益計算書とは、【収益】と【費用】を対比させ、【当期純利益】を表示し、【一定期間の経営成績】を明らかにするための書類。

【費用+当期純利益=収益】



 財政状態

財政状態とは、商売に投下された資金を、どこから、どのような条件で受入れているかという【資金の調達源泉】と、その資金をどのようなものに使っているのかという資金の【運用状態】をいう。

【資金の調達源泉】(元手をどのように集めたかをいう)…負債、純資産(資本金or元入れ)
【資金の運用状態】(元手をどのように使っているかをいう)…資産



 貸借対照表(B/S)

貸借対照表とは、【資産】と【負債】および【純資産】を記載し、【一定期日の財政状態】を明らかにするための書類。

【資産=負債+純資産】←貸借対照表等式



 取引

企業の資産、負債、純資産、収益、費用に増減変化をもたらすあらゆる事象を、簿記では【取引】という。

たとえば、建物が火災によって消失した場合には、一般的には取引と言わないが、資産が減少するため簿記上は取引となる。
また、土地や建物などを借りるための契約を結ぶことは、一般的には取引と言うが、資産、負債、純資産、収益、費用に増減が生じないため簿記上は取引とはならない。



 取引の記録方法

【借方】(左側)に入金(増加)を記入し、【貸方】(右側)に出金(減少)を記入する。
※借方、貸方は、借りたとか貸したという意味は全くなく、単に左右を区別する言葉である。

引を記録する場所を勘定と呼び、T字型をしているところから、【T字型勘定】という。

勘定は大別して、貸借対照表に関する勘定と損益計算書に関する勘定に分かれ、その内容は更に具体化、細分化され、それぞれの名称がつけられて1つの計算単位となるが、これを【勘定科目】という。
勘定科目別の記録、計算を行うための帳簿を【総勘定元帳】という。

1:資産の増加は借方、減少は貸方に記入する。

資産
___
+|−


2:負債の増加は貸方、減少は借方に記入する。

負債
___
−|+


3:純資産の増加は貸方、減少は借方に記入する。

純資産
___
−|+


4:収益の発生は貸方に記入する。

収益
___
 |+


5:費用の発生は借方に記入する。

費用
___
+| 



 仕訳

取引をただちに勘定口座に記入するのではなく、まず借方と貸方に区分けし、発生した順に記録する。
この記録を【仕訳】という。



 仕訳の法則

取引によって変動した財産の動きを仕訳すると、必ず2つ以上の科目に記入され(取引の二重性)、借方と貸方に対立して同額が記入される(貸借平均の法則)。



 勘定口座への記入方法

取引による財産変動の内容は、仕訳に基づいて各勘定口座に記入されるが、これを【転記】という。

借方に仕訳された勘定科目はその勘定口座の借方に記入し、貸方に仕訳された勘定科目はその勘定口座の貸方に記入する。

T字型の勘定口座に転記する際には通常、【日付】、【相手科目】、【金額】を記載する。
相手科目が2つ以上あれば【諸口】と記載する。